映画『恋する惑星』の感想

恋のさなかにある人間の突拍子もなさとか奇っ怪さ不可解さ?を中心に映像にしているんだけど、なんか感じるのはこういうシチュエーションのときにこうするとか、こう言われたらこう返すみたいな人間の行動のパターン化がいかにつまらないかみたいなことだった。なぜそんな行動をするのかを追求することの意味のなさというか。勝手に感じ取っただけだけど。そして、パターンに沿った行動をするつまらないやつは何か食っとけ、なんか食ってたら面白い人間になるからみたいな流れが二つのお話の両方にあった気がした。何年か前からまたとても人気になっている作品で影響されている作家もたくさんいると聞いていて、見ていなかったのでようやく見てみたんですが、この映画にインスパイアされて似たような作品をこさえてしまう人はこの作品の中だと何か食べたほうがいい人なのかもなと思った。なんかだんだん人間ってもともとは面白かったはずなんだけど…みたいな話にも感じてきました。そういう話ではないでしょうね。

映画『クルーレス』の感想

本筋とは関係ないんだけど、亡くなった妻よりも再婚相手よりも誰よりも自分を大切にしてくれる娘がいて、更に再婚相手の連れ子で血縁はないけど自分によく似た賢い義理の息子もゲットして、再婚相手と別れたあと元義理の息子になった法律上他人である他人の子供を自分の元に置き、継続して娘と対面させ、元義理の息子が娘に気があるような態度で家を飛び出すところを見て喜び、恐らく望んでいたとおりにその二人がくっついて、お父さんが求めるお父さん王国が完成したのかなという感じがあった。

 

映画『スイス・アーミー・マン』の感想

教育の要素と同性の恋愛と他の人には理解できない二人だけの高みを気持ちと分かりやすい技術力で目指していく感じが『セッション』に似ていた。こちらは親と子ぐらい基本的な知識を教えていくけど、たぶん同年代の二人で、『セッション』はそういう子育て感はなかった気がするけど、親子ほどの年の差なのでそういう親子関係っぽい部分も共通しているような少し違うようなとは思いますが。あと楽器感もあるし。

映画『ウソツキは結婚のはじまり』の感想

話全体の内容と関係ないんだけど、子供たちは慕っていたけどなんか上手くいかなかったらしい夫と離婚したシングルマザーのキャサリンが子育てコミュニティができたおかげで子供から解放されて自分と向き合う時間を持つことができるってところが良かった。キャサリンの旧友デヴリンも社会から刷り込まれた良き女性像、妻像、夫婦像にこだわることのくだらなさに気付いたりするのも良かった気がする。女性が性的に見られるシーンも女性側の主体性がある感じでそんなに嫌な感じでもなかった気がする。それはどうなんだと思う微妙なシーンが細かくたくさんあった気がするけど、運動しながら見ていたのであまり思い出せない。でもたくさんありました。

映画『リトル・シングス』の感想

お話の内容があまり無いんじゃないかと思うんだけど、どうなんでしょう。感想をそんなに見かけないので自分が何を見落としたのかよく分からないけど、最初から最後まで描きたい内容みたいなものがそんなに読み取れない…。わたしには人の感情もちょっとよく分からないし…。

なんか映像全体がゴズリングのDriveみたいな作品とかイコライザーのこういうシーン良いよねっていうものの詰め合わせな感じがする。本当にいまわたしイコライザーを見ていたのでしたっけと思うシーンがいくつもあった…。既視感がすんごいけど、引っ掛かりのないみんなが見たい映像が流れ続ける感じで、見ている人を気持ち良くさせたいんじゃないかなと思った。分からないけど。あと、キャラクターの造形?設定?がフェティッシュ?やたらと被害者女性の上裸を出してくるのも含めて全体的に設定も映像もフェティッシュな感じ。

ハラハラするシーンもそんなにないし、映像もするする滑らかに進んでいくし、車もすいすい泳ぐように走るしで、時々お話をぼやかされるんだけど、そんなに引き込まれていないせいか別に気になる〜ともならず、そうですか…って。終始そうですか…ってなった…。

映画『OLD』の感想

人間って不完全なものだよね…と思って。お話の中では人生だったり家族含めた他人との関係だったりのほどよい落とし所を有り得ないスピードで模索させられ体の成長や老いにも状況の把握にも思考が追い付かなくなっているところが土台として描かれていたけど、それは現実のスピードでもわりとそうかもと思ったり。現実は海辺にいる以外にもやることがあるから、自分のことに考えを巡らせる時間だけを切り取ったらとても短いのかもしれない。いやどうかな。わからないけど。でも今すぐとか先々の自分に良い影響があるとも限らないその場のなんかいい感じのノリの行動とかパニックのなかでする判断がすべて間違っているものかというとそうとも限らないよねという感じもしたり。人生が短いと分かっていると思い切れることもあるねという感じもしたり。亡くなった人と生きている人とが一緒に映り続けるところも含めてメメント・モリ系?

分かんない、お話の構造のせいか、クワイエット・プレイス2のすぐあとに観たせいか、すごくちゃんと映画を観たなと思える映画だったなという感じがする。

映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』の感想

前作では全く存在もしていなかった台詞のある有色人種が出てきたと思ったら物音を立ててしまうキャラクターだったり、勇敢そうな人なんだけどさくっと襲われて亡くなってしまう人だったり、化け物に無知なせいで襲われてしまう人だったりしていた。なんかそういうのが気になっちゃって内容はそんなに覚えていないかもしれない。前作と同様に父親が作った補聴器+銃(長子は最後は棒で殴ってたかも)が撃退法なので、子供の成長を描いたらしいこの作品の締め括りでも第二子のまだ幼い男児が銃を手に取って自分と家族の命を守ることが成長の表現になってしまっていて、それもなんだか微妙だなと思う。白人至上主義的な感覚と家父長制の感じと銃を持ってこそ一人前みたいなのがベースにあるんでしょうか。前作に感じた違和感のことも考えると白人の過剰な被害者意識も感じられるような…。こう見えているのはなんか私の勘違いかもしれないなと思いながら監督脚本のインスタグラムを見にいってみたらBLMに賛同する白人を美化している感じの動画があったので、分からないけどちょっとどうなんだろう…という感じです。